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石井 康友; 安積 正史; 岸本 泰明
Theory of Fusion Plasmas, ISPP21, p.213 - 226, 2004/00
逆転磁気シアプラズマにおける重要な電磁流体不安定性の1つであるダブルティアリングモード(DTM)の非線形不安定化過程と、それによるDTMの爆発的成長に関して報告する。DTMの長時間成長を調べるための高精度数値シミュレーションを行うことにより、新しい非線形不安定化過程とそれに付随する新しい磁気再結合過程が存在することを明らかにした。この現象はトカマクプラズマの高性能化を阻害するディスラプション現象の解明に貢献するとともに、太陽フレア等の天体プラズマにおける未解明の爆発現象の研究に貢献する可能性がある。
石井 康友; 安積 正史; 岸本 泰明
Physical Review Letters, 89(20), p.205002_1 - 205002_4, 2002/11
被引用回数:104 パーセンタイル:92.6(Physics, Multidisciplinary)ヘリカル対称性を仮定した抵抗性簡約化電磁流体(MHD)モデルに基づき、ダブルティアリングモード(DTM)の非線形領域に新たな非線形不安定化過程が存在することを明らかにした。この現象は、弱結合DTMがRutherford型領域において抵抗性時間スケールで緩やかに成長し、内側磁気島が強く三角変形することにより起こる(構造駆動型非線形不安定性)。このとき、三角変形した磁気島の頂点近傍の磁気再結合領域では、狭い空間領域にプラズマ電流が集中し、電流点が形成される。これは、抵抗性MHDモデルの範囲内で電流点構造が形成される可能性を示したはじめての結果である。また、このような非線形不安定化領域では、モード成長率が加速し、かつ抵抗値依存性が非常に弱くなる。このような、抵抗性時間スケールで緩やかに長時間成長した後の急激なモード成長は、実験的に観測されている抵抗性モードに起因するプラズマディスラプションと定性的に一致する。
玉井 広史; 荘司 昭朗; 森 雅博; 三浦 幸俊; 藤田 隆明*; Fuchs, G.*
JAERI-M 91-110, 13 Pages, 1991/07
エルゴディック磁気リミター(EML)をJFT-2Mトカマクのオーム加熱プラズマに印加したところ、通常のオーム加熱時とは異なる次の3つに分類できる振舞を示した。第1の領域ではEMLの強度増加に伴って最大到達密度が増加した。第2の領域ではH放射光に大きなバーストが観測されるとともに電子密度及び温度の減少が起こり、プラズマ閉じ込め特性の劣化をもたらした。第3の領域ではプラズマのディスラプションが引き起こされた。このときプラズマ表面のq値が増加するとディスラプションに要するEML強度も増加した。EMLコイルの電流を立ち上げてからプラズマにその効果が現れるまで時間遅れが生じたが、これはEMLによる磁場がプラズマ内部に滲み込むときにプラズマの表皮効果が影響するためと考えて評価した結果と矛盾しない値であった。
松崎 誼; 大森 憲一郎; 嶋田 隆一; 南 圭次*; 山崎 長治*; 尾崎 章*; 川島 秀一*
Proc. of 1990 Int. Power Electronics Conf., p.139 - 143, 1990/00
トカマクにおけるプラズマ電流の突然の遮蔽(プラズマディスラプション)を回避・制御する事において、必要な開発項目は大容量でかつ高速でスイッチングするインバータ電源である。JFT-2Mでの実験を想定して、500V、1500A、10~20kHzのスイッチング速度を持つインバータ電源を2スタック製作した。1スタックは単相電圧形フルブリッジ回路で3台並列接続である。素子は最近開発された大容量、高速のスイッチング特性を持つ自己消弧形素子IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用した。この素子の定格は1000V、300Aであり、IGBT素子単体の定格として最大級のものである。このインバータ電源の制御は、最大20kHzの搬送周波数をもつPWM(Pulse Wide Modulation)制御で行った。この電源は製作を終え、試験を行い、良好な結果を得た。
蕪木 英雄; 横川 三津夫; 関 昌弘; 有澤 孝
Heat Transfer in High Energy/High Heat Flux Applications, p.43 - 49, 1989/00
電子ビーム等による金属の高熱流束下の溶解過程は、原子法同位体分離過程の原子蒸発部、核融合炉プラズマ・ディスラプション時の第一壁の表面溶融、レーザー・電子ビーム加工技術など幅広い分野でその基礎的な溶解のメカニズムの解明が求められている。本論文では、2次元の領域に対して電子ビームによる金属の溶解過程のシミュレーションを行った。計算ではエネルギー(移流-拡散)方程式とナビエ・ストークス方程式を連立させ、差分法により数値計算を行い、固-液境界面の時間発展を求めた。この結果をアルミニウムによる実験結果と比較し、両者が良く一致することを示した。また、対流項の差分化に対し、3種類(1次風上法、ハイブリッド法、QUICK)の手法を用いて計算し、これらが数値計算結果に与える影響を評価した。また、計算格子の影響についても検討した。
中村 博雄; 平岡 徹; A.M.Hassanein*; G.L.Kulcinski*; W.G.Wolfer*
JAERI-M 83-058, 92 Pages, 1983/03
本論文は、プラズマディスラプション時の蒸発・溶融による第一壁損耗量の評価について述べた。第一壁材は、316SS・Mo・C・SiC・TiCについて検討した。計算モデルは、移動境界条件・非定常蒸発・蒸気シールド効果・温度依存物性値を取扱っている。蒸気シールド有りで、エネルギー密度200J/cm、エネルギー時定数1msecのプラズマディスラプションの場合、全損耗量は、C・SiC・TiC・Moに対して、それぞれ4・5・6・2m(溶融層が安定な場合)および、4・5・25・39m(溶融層が不安定な場合)である。これらの損耗量は、第一壁の寿命に影響する為、今後、より詳細な損耗量評価を行なう為には、原子分子過程を考慮した蒸気シールドモデル、化学反応による損耗、および溶融層の安定性に関して検討が必要である。又、トカマク装置でのディスラプションプラズマと第一壁の相互作用の実験が今後重要と考えられる。